門司と星野の変化

問題のあるレストラン、門司と星野は登場から回を追うごとに少しずつ変化が見えてきます。


調理場で料理中にホールで騒ぎがあっても無関心で音楽聞いていた門司が、たま子とそのことを話し合った。また別の日に同じようなことがあった時に駆けつけたり。

10万円を受け取って、喪服ちゃんをひとり置き去りにした星野は、喪服ちゃんからの別れの伝言を聞いてから、喪服ちゃんに謝り彼女と別れたことを告げたり。喪服ちゃんと関わりたいというような視線を向けたり。

星野は、門司が騒ぎに駆けつけたときに、後ろから追いかけて来てました。


私は、その様子に救いを感じます。 

自分が見ていなかったもの、関係ないと割り切っていた部分に、気を向けはじめている証のように思います。

門司や星野は、根は素直で、人の話を聞いて考えることができる人なんだと知ることができます。

門司や星野みたいに、素直に話を聞いて考える人が現実にたくさんいるのではないかという、希望を抱くことができて、少し光が射したような気持ちになります。


ドラマは終盤戦に差し掛かり、門司はともかく、星野のエピソードがこれからどれだけでてくるかわからないですけど、私は、妄想してしまいます。

喪服ちゃんがかつて「自分は緑しか選べなかった」こと、「選ぶというより残ったものを手に取るしかできなかった」ことを、星野に話して、星野は今までの軽い調子で「そんなことないっスよ」と応えないで「そうなんだ」と受け入れるような、そんなやりとりを。

喪服ちゃんの抱えてきたものをただ知ることを。

その先に、星野自身の抱えてきたものを真っ直ぐに見つめることを。

そして、喪服ちゃんも星野の抱えているものを聞く。


2人が再び男女の関係になるかはさておいて、そんな関わりのできる日が来たらいいなと思ったりしています。


入れ込み過ぎですね。

第6回の感想

第6回をみた感想。

(粗筋はまとめてないですが、ネタバレはあります。)


喪服ちゃんの、‘パーティ’でのエピソードを「可愛い」だの「ファン」だのという単語を並べてバカにする男達。

「女は、飲むか食うか笑わせるかしなきゃ価値がない」というお偉いさんの言葉を疑わずに、お偉いさんの女の扱い方をそのまま模倣してるんだろう。

あの男達の語りは、聞くに耐えなかったけど、喪服ちゃんのパーティでの様子の回想シーンや写メが出てこないのは、ほんとうによかった。

男達の台詞だけでどんなに辛いことかわかるし、回想シーンや写メを挿入する演出は、その辛さや屈辱を不特定多数に公開するのと同じで、喪服ちゃんをさらに辱めることに他ならないと、私は思うからです。

台詞を聞いただけでそれが想像できない人たちは、回想シーンや写メを見たところで喪服ちゃんの受けた屈辱を量れない。きっと。



耳(川奈さんのあだ名)の、「いくらケーキが好きだからってまずいケーキまで好きなわけないじゃないですか。好きな男は好きだけど、嫌いな男は嫌いですよ、当然。」、「男って自分より頭良い女を見つけると怖いって言って片付けますもんね。」は至言でした。

当たり前だよねぇ、何でこいつらは、女は何でも受け入れると信じてるんだ。なぜ、自分たちと同じように好みがあるし知識があるし能力があることを、認められないんだ、バカなのか。見ないふりしていればないことにできるのか、バカなのか。



烏森さん、フラフラしてるフリーター?かと思いきや、休業中の弁護士だったのには驚きました。

彼女の、「復讐は怒るだけじゃできない。ちゃんと楽しく綺麗に生きることも復讐になる。」という台詞にもじんときました。


たま子の同級生、五月さんは、会社でのセクハラ、パワハラの末、退職を余儀なくされて、田舎に帰りました。

田舎では、穏やかで静かで平和な生活をはじめてるのかもしれないけど。

でも。彼女は、怒っていた。セクハラ、パワハラの顛末を電話で話した母に「男の人のやることは許しなさい」と言われた出来事を「お母さん、それは私に『生きるな』ということです」と日記に記していた。

夢の中で、会社の男性たちを躊躇なく斬り殺していた。


たま子は、五月さんのレシピを元にビストロを始め、以前勤めていた会社のレストランに対抗することで、復讐を果たそうとする。

烏森さんは、そのたま子に、「私は怒る方を」引き受ける決意を語り、雨木社長を訴えるために五月さんに会わせて欲しいと頼んだ。


私は、たま子の復讐が展開されていくだけで、訴訟するという話に及ぶとは想像していなかったけど、

『大勢の他人の前でどんなことされたか事細かに話をさせられるのが嫌だとか、身内に反対されたりして、訴訟には持ち込めないから、せめて五月のレシピを使って、辞めた会社が経営するレストランに勝つ』というたま子の復讐は、成立しうるかな?という疑問がありました。

会社側からしたら、たま子たちと戦うレストランは数ある店舗のうちの一つでしかないし、一店舗の経営が思わしくなくなれば移転か閉店させるだけで、社長たちは特別痛手を負わない。たま子達が何のためにやってるかなんて微塵の関心もない。だから、それは結局は自己満足じゃないか?と思ったのでした。


実際は、楽しく綺麗に生きるだけでも、復讐は成立しないと思っています。

今がいくら楽しくても、穏やかで綺麗でも、当時に受けた屈辱や不快感は忘れられない。怒りを抑え込んで我慢した辛さと共に、心の奥底に沈殿するものだと思います。

区切りをつけて切り離したつもりでも、仕方のないことだと言い聞かせたとしても、それらはなくならない。

勿論、復讐を遂げたとしても、消えるものではないけれど。

復讐には、関心をもってない彼らを、自分の土俵に引きずり込むことが必要だと思う。

自分の怒りを表すために、泥の中に引きずり込んで、真正面から彼らにも苦痛や負担を負わせること。そして、関心を持たせること。もしかしたら、なぜ怒ってるのかを相手に伝えて、相手に関心を持たせることが一番の復讐なのかもしれません。



今回の展開を見て、さらに楽しみになってきました。

楽しく綺麗に生きることと、怒りを真正面から表すことの両方がどうなっていくのか、見逃せないです。




本編の展開からは逸れますが、ビストロフーには、おきまりの‘気合入れ’があって、みんなが円陣を組んで、最後は片手を挙げて「どっかーん!!」と大きな声で叫ぶのですが、今回初参入の耳が、キラキラゆるふわ量産型女子よろしく、可愛くぶりっ子して「どっかーん!!°˖✧◝(*´ `*)◜✧˖°」を叫んだのをみて、誰か(多分ハイジさん)が舌打ちしたところに大笑いしました。

遠慮なく、お互いが感じたことを素直に表現して、それをお互いが受け入れてるように見えたので、すごくいいなぁと思いました。



ブログをやってみます。

今期放送中のドラマ、問題のあるレストランを見ています。

今週3話が終わったところですが、毎話見るたびに言いたいことがたくさん出てきて、ツイッタやネット記事での反応を読んでいたのですが、それでも物足りなくて歯がゆくてたまらなかったので、自分で自分の言いたいことを言ってみようと思い、はじめることにしました。